お茶のとまや

城下町杵築でお茶一筋、十代280余年

日本唯一の「サンドイッチ型城下町」として、江戸時代の風情が色濃く残る杵築。その商人町である谷町筋で、**享保年間(1716〜1736年)**に創業した「お茶のとまや」は、十代にわたりお茶一筋に伝統の技と心を受け継いできました。

明治8年(1875年)に建てられた純木造の入母屋造りの店舗兼主屋は、伝統的な町家の建築様式を今に伝える貴重な建物。平成30年(2018年)には、杵築市で初めて国の登録有形文化財に指定されました。

歴史を感じさせる「とまや」の店舗
歴史を感じさせる「とまや」の店舗

時が止まったような、文化財の空間

一歩店内に足を踏み入れると、そこは江戸時代から続く商家そのものの空間。代々使われてきた大きな茶壺や、お茶を挽いていた茶臼、そして茶葉を量るための天秤などが展示されており、まるで博物館のよう。歴史と日本茶文化の香りに包まれながら、ゆったりとした時間を過ごせます。

杵築を代表する銘茶の数々

とまやの看板茶は、長年の経験を元に独自にブレンドされたお茶です。特に人気の高い二つの銘茶をご紹介します。

「とまや」のお茶の陳列
「とまや」のお茶の陳列
  • 煎茶 杵築城(きつきじょう) 杵築ブランド認定品でもある、まさに杵築を代表する煎茶。香り高く、まろやかで豊かな味わいが口の中に広がります。お土産にも最適です。

  • 豊国一(ほうこくいち) 旨み、まろやかさ、そして爽やかさのバランスが絶妙な深蒸し茶。日常使いはもちろん、大切な方への贈り物にも喜ばれる逸品です。

この他にも、伝統の釜炒り茶や、自家製の落雁(らくがん)・最中といったお茶請けにぴったりの和菓子も販売しています。

喫茶と体験で、お茶の魅力を深く知る

「とまや」の魅力は、お茶を買うだけにとどまりません。温かなおもてなしで知られる店主や女将さんと語らいながら、奥の喫茶スペースでゆっくりとお茶を味わうことができます。

  • 喫茶スペース 日本庭園を眺める茶室で、季節の和菓子と共にお茶を楽しめます。
  • 抹茶・煎茶体験 初めての方でも安心。亭主が丁寧に指導し、自分だけの静かな一服を味わえます。
  • ポーセラーツ体験 世界に一つだけのオリジナルな器作りに挑戦できる、人気のワークショップです。

280年以上の歴史を守りながら、新しい形でお茶の魅力を伝え続ける「お茶のとまや」。城下町散策の際には、ぜひ立ち寄りたい名店です。

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